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オプショントレードのポジションの損益曲線とリスク指標曲線のグラフを自由に描けるようになり、そのグラフ上でデルタ、ガンマ、セータの各リスク指標の意味をある程度理解できるようになったものの、依然としてよく分からないでいたのがベガでした。
このベガについてどう理解すればよいのかりゅう先生にお尋ねしたところ、「ベガは生き物なので、あまり理解しようとしても意味がないです」というご返答。リアルにトレードしていくうちにベガは経験を通して分かってくるということらしい。
それでもリアルにトレードする前になんとかベガのことを理解しておきたいと思っていたところ、ザラバ中にあるフォロワーさんから頂いたヒントからベガを視覚的にみることに成功し、さらには、そこから今度はボラティリティと時間が等価であることが分かるというりゅう先生のご教授まで頂きました。今回はそんなベガのお話です。
まず最初に、次のコール買いのポジションの損益曲線をご覧ください。
図1の損益曲線のグラフを見ると、デルタやガンマ、セータはすぐに理解することができますが(「損益曲線とリスク指標曲線についての覚書」の記事を参照)、ベガがどこにあるのかよく分かりませんでした。
そんな折、あるフォロワーさんからヒントを頂き、図1と同じポジションで次のように図1ではIV15だったのを50、100に変化させた損益曲線をいくつか作成し、眺めてみました。
この図1から図3までのグラフを比べたとき、何かに気付くと思います。そう、満期と期中の各損益曲線がIVが大きくなるにつれて離れていくことが分かります。この満期と期中の各損益曲線との離れ具合がベガであると、りゅう先生からご指摘を受けました。
えっ、えっ?って感じです。これがベガ???と驚いたことは言うまでもありません。今までベガを損益曲線のグラフ上でどう把握すればいいのか、まったく分からなかったのですが、そのベガの姿がIVを変化させることによってぱっと目の前に現れたのです。これは、本当に驚きました。
では、これらのIVのとき、それに対応するベガ曲線がどのようになっているのかを見てみることにしましょう。
図4から図6を見ると、IVが大きくなるにつれ、このポジションの場合、ベガ曲線の山のすそ野が広がっていくのが見て取れると思います。つまり、IVが大きいと、広範囲にわたりベガの影響が及ぶことが分かります。
さて、りゅう先生が指摘されたボラティリティと時間が等価ということは、どういうことでしょうか。それを確認してみましょう。図1から図3をもう一度見てみましょう。
図1から図3は先ほども書きましたが、IVの値を大きくしていったものです。このとき、各損益曲線との間が次第に大きく離れていくことが分かります。そして、この間の距離というのは、何を隠そう時間的価値の変動なのです。すなわち、IVが小さいほど時間的価値の変動も小さく、IVが大きくなるほど時間的価値の変動も大きくなるわけです。つまり、この動きからボラティリティと時間が等価であることが分かります。
これに関していつもりゅう先生が、「オプショントレードの本質は時間を取引するもので、オプショントレードにおいてはボラティリティが最も重要なファクターであり、これらボラティリティと時間は同じもの」とおっしゃっていることが思い出されました。その意味することがベガを見ることでやっと理解することができました。
ベガよ、あんたはえらい!
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