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ダウンサイドでの収益上積みを期待してプットサイドにポジを追加したあと、しばらくしてから余計なことをしてしまったことに気づきました。

図1 プットサイドに玉を追加したポジの損益曲線

ダウンサイドにこのようなプットポジを追加したのは、下落時に期中利益がバーティカル・ベア・コール・スプレッドのままのときより、若干増える領域があったこと、さらに、SQが21000あたりで決まれば、かなりの利益が期待でき、手数料だけの負担でその利益を得られるかもしれないと思ったこと、また、安いプットの買いを多く持っていると、暴落時IVが跳ね上がると、期中利益がかなり大きく出ることがあるので、このプットポジを追加しておけば、暴落時にIVが跳ね上がると、期中利益がかなり期待できそうだと勘違いしていたことです。そもそもこのプットサイドのポジは、プットが買い長になっていない。

しかし、冷静に考えると、せっかくダウンサイドを利益限定ではありますが、どんな暴落が来ようと、損失が発生しないポジションにしているのに、それをわざわざ50万円近い損失が発生する可能性があるポジションにしてしまったのは全く無意味でした。

図2 プットサイドにポジを追加しない場合の損益曲線

実践において図1と図2の差は天と地ほどの差があります。どちらもアップサイドを気にしないといけない点は同じですが、ダウンサイドまで損失が発生する形になっている図1は、上がっても、下がっても、大きな損失を被る可能性があり、両サイドに神経を使う羽目になってしまっています。これは、私としては精神的負担がかなり大きいです。

しかも、SQが21000あたりで決まれば、大きな利益が期待できるとはいっても、その領域でSQを迎える可能性がどのくらいあるのか、さらには、大きな利益が期待できる領域では期中損益がマイナスになる領域でもあり、そのマイナス度合いによっては証拠金が足りなくなって、SQまでポジションを維持できずに、強制ポジ解体の運命になる可能性もありました。

そして、SQ時に大きな利益が期待できる領域は、そこから数百円下がるだけで、今度は逆に大きな損失になっていく領域と隣り合わせで、SQ時に大きな利益となるか、大きな損失となるかは丁半博打と同じで、とてもそんな領域でSQを迎える気にはなりません。

また、このような問題だけでは収まらず、暴落時にIVが跳ね上がったとき、このプットサイドの玉によって期中利益が大きく出るようになると思っていたのですが、実はまったくの逆で、IVが跳ね上がると、このプットサイドの玉によって、期中損益が大きくマイナスの方に動くことがポジを建てた後に分かりました。

図3 IVが30に跳ね上がった時の損益曲線

図4 IVが100に跳ね上がった時の損益曲線

図3と図4は、どちらもOP銘柄のIVが一律に同じ値に変化したとしてのシミュレーションなのですが、実際はこういうことにはならないとは思いますが、IVが大きくなれば、それだけ期中損益がマイナスの方に大きく動くのが分かると思います。

このように、期中損益が大きくマイナスになると、いくらSQ時にはプラスで決済される領域であっても、証拠金不足によってSQまでポジションを維持できない可能性があります。こうなっては本末転倒です。

ダウンサイドでの利益の上積みの可能性を考えて、プットサイドにわざわざポジを追加したのに、ぱっと思いつくだけでもポジションにとってかなりのマイナスにしかならず、なぜこんなポジをわざわざダウンサイドに追加したのかと、自分でも呆れるばかりでした。しかも、手数料をわざわざ支払うだけでなく、誤発注までしてコストをかけたのに…。

そう思うと、あまりの馬鹿さ加減に暴落が来る前に一刻も早くこのプット玉を外そうと考えました。とにかく、1秒でも持っておきたくはなかったのです。

そのときの相場状況としては、アップサイドを警戒するくらいで、とても暴落が起きるような感じではありませんでしたが、相場は何が起きるか分かりませんし、日本は地震や津波など、自然災害の被害を受ける可能性が高い国でもありますから、ちょっとの気のゆるみでも相場では命取りになることがあります。

なので、機をみて、できるだけ損失が発生しない形でプットサイドの玉をすべてなくすことにしましたが、なかなかそのチャンスを与えてくれず、その間、暴落よ、来るなよと思っていました。

しかし、ポジションの危機は気にしていたダウンサイドではなくて、真逆のアップサイドで発生することになります。

第7話に続く

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