初めての実践オプショントレード、その結果は?(第7話)

プットサイドにポジを追加し、さらに、コールサイドにもバーティカル・ベア・コール・スプレッドを追加したあと、しばらくプットサイドの玉を外すチャンスをうかがっていました。

相場は堅調に推移し、暴落の気配がまったくありませんでしたので、プットサイドの玉をできるだけ早く外したいとは思っていましたが、さほど緊急性は感じていませんでした。

しかも、日経平均は23000近くにあり、そこから21000まで短期間で下落するというのは、そのときの状況からみると、かなり可能性は低そうでもありました。

ならば、なおさら、そのようなプットサイドへのポジ追加は意味がなかったということにもなります。

このような状況でしたので、急ぎプットサイドのポジを落とすことはせず、できるだけ損失が発生しないで落とすチャンスを探していました。

そのような折、ポジションの危機は気にしていたダウンサイドではなく、アップサイドで発生することになります。

このときのポジションは次の図1をみると分かる通り、アップサイドで損失が発生するポジになっています。なので、日経平均が23000に近づいてくると、期中損益が大きくマイナスになっていき、同時に、リスク指標もリスク限界を越えてくることになります。

図1 ポジの損益曲線

今回のオプション初トレードで設定したリスク基準は次の通りです。

OPポジの運用基準

証拠金:100万円
(ポジション用50万円+値洗い用50万円)
デルタ:絶対値0.2以内
ガンマ:絶対値0.001以内

この設定したリスク基準を越えそうになると、即座に対応することを決めていました。

プットサイドのポジをどう落とすかを数日間考えていると、日経平均が23000を越えそうになるあたりで、設定したリスク基準のうち、デルタが絶対値で0.2を越えてきました。

SQまでの残存期間やポジ内容を考えると、そして、人によってはこの程度ではリスクと言えるほどではないのかもしれませんが、私の場合、どこまでデルタやガンマの値をリスク限界と設定するかよく分かっていないこともあり、とにかく、上の基準を越えたら、対応することにしていました。

新規にポジを建てたあと、設定したリスク基準を超えるようなことはこのときまで一度もなかったので、今回、初めてリスク対応をすることになりました。

バーティカル・ベア・コール・スプレッドにおけるコールショートが踏まれそうになるときの対策としては、次の3つがあると、りゅう先生に教わりましたので、このうちどれでいくかをそのときのリスク指標や相場状況などから判断して決めました。

ヘッジ対策案
  • 先物買いでデルタヘッジ
  • コール買いを増やしてガンマヘッジ
  • コールショートを外側にロールアウト

この対策案のうち、ヘッジとして選んだのは、コール買いを増やすガンマヘッジです。

コール買いをヘッジとして選んだ理由は、もし、ヘッジしたあと、相場が下がり、そのヘッジが要らなくなれば、その買いを利用してバーティカル・ベア・コール・スプレッドを追加できるかもしれないと思ったからでした。

なぜなら、コール買いによるヘッジが要らなくなる状況というのは、日経平均が上に上がる可能性が低くなる状況でしょうから、その状況であれば、ダウンサイドでの収益積み上げを狙いたいという思いがありました。

そして、コール買いは先物買いと違って、下落時の損失が限定されていること、先物買いでヘッジすると、相場をみていないときに大きな下落がくると、先物買いがかなりマイナスになってしまい、ポジションの収益がかなり悪化する可能性があると思ったことです。

また、コールショートを外側にロールアウトするのは、その時点ではまだそのショートが踏まれるかどうか分からず、その段階でロールアウトするのは時期尚早だと判断していました。

このようなことを考え、コール買いでガンマヘッジすることにしたわけです。

そう決めたら、どのくらいのガンマヘッジをするかを決めることになるのですが、そのときのポジションはダウンサイド、アップサイド損失限定のショートストラングルになっていましたので、ショートストラングルは若干デルタをマイナスにしておくのがセオリーであると、りゅう先生に教わっていたので、デルタをマイナスにしたままでその値を0.2より小さくすることを考えました。

この時点ではまだ相場はそう上までは上がらないと見ていましたので、デルタとガンマをプラスにもっていく考えはありませんでした。

しかし、その後の展開を考えると、この時点ではダウンサイドを取ることを考えるより、アップサイドを取りにいったほうがはるかによかったという11月限SQの結果でしたが、そのようなことはその時点で分かるはずもなく、その時点では11月限SQは、23000より下、あるいは、23000より上でも23250あたりまでで決まるだろうという前提で考えていました。

なので、あくまでもダウンサイドで収益を上げることを目指し、コールロングでヘッジすることにしました。

1911C24000 買い1枚、4円

このコール買いでヘッジしたことにより、ポジリスクはリスク許容範囲に収まりましたが、さらに日経平均が上昇すると、再度デルタが絶対値0.2を越えそうだったので、その時点でさらに次のコール買いを追加しておきました。

1911C24375 買い2枚、1円

1円のコールなので、どこまでその効力があるのか、分かりませんが、日経が上がれば、1円のコールと言えども、何らかの効力が現れるはずと、そのときは思っていましたので、日経が23000を越えていく前提で先回りしてコールロングを増やしておきました。

こうしておけば、23000を越えたときに、リスク指標的に余裕があれば、コールショートをさらに追加できるかもしれないという期待もありました。

このような経緯で、次のようなポジションが出来上がりました。

図2 ヘッジ対策後のポジ

図3 ヘッジ対策後のポジの損益曲線

ひとまず、アップサイド対策ができたので、これで日経平均が23000を多少越えても、すぐにはポジが危険な状態になることはないと思っていました。

そして、相場はこのような対策をしたにも関わらず、23000を越えていくことはなく、逆にヘッジが要らなくなるくらいに下がりました。

なんだ、ヘッジ要らなかったのかと思ったのは言うまでもありません。

このようにアップサイド対策したのに、実際はそのヘッジすら要らないという展開になり、これでポジの危機は去ったのかと思ったら、実はそうではありませんでした。ポジションの危機は思わぬところからやってきました。

第8話に続く