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オプションをトレードするとき、多くの人が思っていることの1つに、オプションの売りは損失無限大の可能性があるので、とても危険であるという思い込みがあります。損失無限大といっても、現実的には日経平均がゼロになる可能性は限りなくなく、また、日経平均が無限に上がり続けることもないでしょうから、損失が無限大になることはないと思われます。

ただ、損失が無限大になる可能性がまずないとしても、個人がオプションの売りをすることにより、多額の損失を背負うことになる可能性はいくらでもあります。実際、そのような事態になり、借金生活になったり、借金を返済できずに自己破産したりした人もいるようです。個人がトレードによる損失を返済できなければ、その損失を証券会社が肩代わりすることになりかねず、証券会社がオプションの売りを個人にさせるかどうか、とても慎重になるのも理解できます。

オプションの売りをトレード戦略の1つとして考え、オプションの売りを行いたいのであれば、定職についているうちに先物口座を開設し、オプションの売りができるようにしておいた方がよいです。フリーランスや専業トレーダーになってから、先物口座を開設するときには、それなりの金融資産がないと開設できないみたいですし、その開設の際も審査部から電話でいろいろと尋ねられたりします。そして、証券会社によってはオプションの売りをしないということで、先物口座を開設してくれるところもあります。そのような証券会社では、オプションの売りをしたい場合、審査基準が買いだけの場合より厳しくなるようです。

さて、オプションの売りに関しては、私もりゅう先生に出会うまでは、損失無限になる商品なので、とても危険で、オプションの売りは絶対にしないでおこうと思っていました。しかし、その考え方はりゅう式オプショントレードにおいては間違いであることが分かりました。

りゅう式オプショントレードにおいては、基本的にオプションのプットを裸で売っている状態にはせず、むしろ無限遠では利益になるようにポジションを組んだり、あるいは、損失限定のポジションを組みます。つまり、プットをショートしているとき、日経平均が大暴落しても損失無限大になることはないということです。

そんなことできるのかと思いますが、それができるのです。次の図1と図2をご覧下さい。

図1 バックスプレッドプット

P22375、565円、売り、1枚
P22125、400円、買い、2枚

図2 バーティカルブルプット

P22125、400円、買い、1枚
P22375、565円、売り、1枚

図1と図2はポジションの中にプットショートがはいったものですが、図1は無限遠で利益が増えていき、図2は無限遠では損失限定のポジション内容になっています。

ここで挙げた例は、プットサイドの例ですが、これはコールサイドにおいても同じです。ただ、オプションにおいてはスマイルの法則というのがあり、プットサイドのIVがコールサイドより高めに出る傾向があります。つまり、プットサイドのIVがコールサイドよりも高いということは、オプション価格の変動がプットサイドの方が大きいということになります。変動が大きいということは、それだけ大きな利益にもなるし、大きな損失にもなるということです。

このことからオプションの売りに関しては、買いよりも気を付けないといけないのは事実ですが、過度にオプション売りを恐れることなく、適切にリスクを管理してポジションメイクをすれば、オプション売りはとても魅力ある商品と言えます。時間を収益に変えることを考えるならば、オプションの売りを外すことはできないでしょう。

りゅう式オプショントレードにおいては、プットサイドは無限遠においてフラット、もしくは、1枚以上の買い長であることを推奨しており、ダウンサイドはバーティカルブルプットスプレッドを組むべきということです。

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