オプショントレードにおける建玉操作の事例研究1(第2話)|りゅう先生講義録13

バーチャで新規に建てたショートストラングルは、そのときのレンジ範囲を上にも下にも抜けないだろうという前提で建てたにも関わらず、その後、レンジの上限を突破してさらに上昇するという展開になりました。

さあ、これは困ったことになりました。当然、何かしらの対策が必要だと思いますが、その時点では私にはどのような対策をすればいいのかまったく分かりませんでした。

なぜなら、オプションにおける建玉操作の基本がまるで分かっていないからです。これが日々私が行っているスイングトレードなら、こうなったら、こうする、ああなったら、ああするというのが分かっていますので、想定外の状況になれば、そのときの状況の応じてすぐに建玉操作をしていくところです。

しかし、今はそれがまったく分かりませんので、このトレードはバーチャでのトレードということもあり、りゅう先生にどうすればよいのかをお尋ねしてみました。

もちろん、リアルトレードをする際は、ポジションを建てる時も、また建てた後も、自分で考えて自分の判断でトレードするのが基本であるし、それできずにリアルトレードはしないと自分で決めているので、バーチャのようには最初から最後まであれこれ聞くわけにはいかないと思っています。

ただ、リアルトレードする中で自分ではどうにもならなくなったときは、ご意見を伺いたくは思っていますが、よほどの状況にでもならない限りは、自分の力で何とかすべきなのがリアルトレードの基本と思っています。

リアルに相場を張る以上、そこで何が起きようと、すべて自己責任に帰することであれば、尚更、自分の力で相場を張るのが大前提でしょう。

今回はバーチャトレードなので、最初から尋ねてみました。というか、尋ねないと、何をどうしてよいのか、さっぱり分かりませんから。

話をもとに戻すと、9月11日の段階(原資産価格:21597.76)でのりゅう先生のアドバイスをまとめると、次の通りでした。図3は、そのときのポジション内容です。

図3 9月11日引時におけるポジ内容

りゅう先生からのアドバイス
  1. このポジ自体はよいが、両サイドが少し小さい。つまり、上限と下限の設定がATMに近すぎる。
  2. 最新のデルタが-0.2は大きすぎるので、これを少しマイナスに持っていくために先物ミニ1枚を買うのがよい。ショートストラングルはデルタをややネガティブに維持するのがセオリーである。
  3. 原資産価格が21750を引値で越えてくると、C22000をC22250までロールアウトするとよい。
  4. オプショントレードにおいては、ロールアウトによる損失が実現損となるが、それはポジションを維持するための必要経費である。ただし、外側のコールを売り直すことにより、収益ポテンシャルを維持することができ、結果的に目先の損失を時間に置き換えることになる

9月12日NSで原資産価格が21670を越えてきたので、いずれ21750を越えるだろうとみてヘッジ対策をすることにしました。

ヘッジ対策として、C22000のショートコールを決済(ロスカット=必要経費)して、アウトのコールC22250にロールアウトした。つまり、コールの売り直し。同時に、デルタを抑えるために、先物ミニ201912月限1枚ロングしました。

1回目の対策

1910C22000 売り1枚、56円
(決済値 140円、実現損失:△84円)

原資産価格:21759.61[2019年9月12日引時点]

1910C22250 売り1枚、115円
(C22000 売り1枚の売り直し分)
1910P20500 売り1枚、195円
1910P20000 買い1枚、110円
1912先物225ミニ 買い1枚、21600円
(デルタを抑えるためにデルタ+0.1を追加)

1910C22000の決済値が140円で、その売り直しの1910C22250が115円となっているのは、140円を付けた後、ボラティリティが一気に下がったので(?)、115円で売り直す羽目になりました。

OP価格がすっごい速さで動くことがあり、リアルにおいてもザラバ中に最初の注文を約定させたあと、残りの注文を出すと、こういうことが起きそうです。これは、どうしたらよいのでしょうか。

図4 1回目の対策後のポジ内容(2019年9月12日引時点)

図5 1回目の対策後の損益曲線

このときの私の相場観は、この先、22500円までの上昇があるかもしれないし、ひょっとしたら、23000まで行く可能性もあるというものでした。実際、この相場観によって私はそのときスイングトレードしていたので、スイングではそのようなポジ構築を目指していました。

しかし、オプショントレードにおいては、そのようなものは相場観とは言えず、時間を意識した相場観を考える必要があるというご指摘をりゅう先生から受けました。

私がスイングトレードをするときには、自分がこの先の株価の波の形をイメージしながらトレードしているだけで、そこには時間の概念がなく、どんなに時間がかかろうと、その波の形になれば、自然と利益がでるようにしていました。

しかし、オプショントレードにおいてはSQというタイムリミットがあり、さらには、オプションの時間的価値は日々刻々と減少しているので、否が応でも時間というものを意識しないではいられないということです。

なので、短期的に22500までの上昇があると考えているのならば、C22250のショートはロングにし、その分のプレミアムをセーブしたいならば、C22750との間でブルレシオを組むべきとの助言を頂きました。つまり、いつまでにどのような動きをするかによって、ポジションを少しずつ修正しないといけないということでした。

このように時間を意識したトレードを私は今までしたことがなく、スイングトレードでは常に上がるか、下がるかだけを意識していたので、この時間を考えるという作業がまったく未知の世界でした。同時に新鮮でもあり、ああ、これで新しいトレード世界が手に入るとも、そのとき、思いました。

さて、このポジション、今後もさらなる試練が待ち構えていることに、この時は知る由もありませんでした。

第3話に続く